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未公開イベント『Halloween Nightmare Party 前編』

未公開ストーリー

 

 

自分とは全然違う存在なのに
 誰よりも似ているように感じる

 

だけど、違うその部分がちぐはぐで
 言葉に出来ない苛立ちを感じる

 

――ちょっと『苦手』だな……

――『大っ嫌い』

 

どうしても噛み合わなくて
 やがてその意識は嫌悪感に繋がっていく

 

今回のドキュメンタリーは
 違うようで似ていて、似ているようで違う

 

“僕”と “僕”の

 

秋の物語――

 


 

――藍鉄区街中。

 

【ジン】
「よし、買い出しもこれで終わりだな」

 

【ジン】
「今日はこの後、VIVIANITE本店のスタッフとインクルスタッフの初の共同ミーティングだからな~」

 

【ジン】
「その前に、面倒な雑用は全部終わらせておきたかったんだが、早めに終えられてよかった」

 

【ジン】
「あとは店に戻って……ん?あれは――」

 

【???】
「や、やめてください……!」

 

【ジン】
「……この声……」

 

【香椎亜貴】
「やめてください、夕星さん……!」

 

【音石夕星】
「え~、いいじゃん。ね、あーちゃん♥」

 

【ジン】
「……ったく、やっぱりな。夕星はまーた亜貴に絡んでるのか」

 

【ジン】
「おい、そこ!」

 

【香椎亜貴】
「あっ、ジンさん!」

 

【ジン】
「まったく、こんなとこで弱いものイジメしてんじゃねぇよ」

 

【音石夕星】
「そんなことしてないってば~」

 

【ジン】
「イジメっ子ってのはな、みんなそうやって言うもんなんだ」

 

【音石夕星】
「何それ。僕はあーちゃんと遊んでただけだよぉ~?」

 

【香椎亜貴】
「ええっと、もう少しほどほどにしてもらえると……」

 

【音石夕星】
「ほどほどなんて言われても分かんないし~。具体的に言ってよ、具体的に」

 

【香椎亜貴】
「そ、そう言われても……」

 

【音石夕星】
「こういうのはダメなの~?」

 

【香椎亜貴】
「わわわっ!ちょっと、抱き着かないでください~!」

 

【音石夕星】
「これって“ほどほど”?それともまだまだいけちゃう?」

 

【香椎亜貴】
「全然いけちゃわないです!」

 

【香椎亜貴】
「ほら!ジンさんも見てますから……!」

 

【音石夕星】
「えー、だって歩くの疲れた。あーちゃんおんぶして♥」

 

【香椎亜貴】
「夕星さん~!」

 

【ジン】
「お前らなぁ……人の話を聞けよ、まったく」

 

【ジン】
「……いや、待てよ?これは面白くなるんじゃないか」

 

【ジン】
「……おい、お前ら!」

 

【香椎亜貴】
「なんですか?」

 

【音石夕星】
「なぁに~?」

 

【ジン】
「話がある。ちょ~っと俺についてこい!」

 

【香椎亜貴】
「えっ!?ちょ、ちょっと待ってください……!」

 

【音石夕星】
「うわっ!急に引っ張るなぁ~!」

 

***

 

――VIVIANITE INCLUSIONロビーにて。

 

【ハルヨシ先輩】
「あっ、オーナー!おかえりなさい!」

 

【エリ先輩】
「おかえりなさーい!」

 

【ジン】
「おうお前ら!今日はわざわざインクルまで来てくれてありがとな」

 

【エリ先輩】
「いえいえ……って、その後ろに連れてる人達って……!?」

 

【ジン】
「ああ、知っての通りアッポリの夕星……じゃなかった、Toiとレヴァフェのナイトだ」

 

【音石夕星】
「紹介はいいけど、なんでここに連れてきたの?僕忙しいんだけどぉ」

 

【香椎亜貴】
「何か僕達に用があるんですよね……?」

 

【ジン】
「ああ!そうだ」

 

【ジン】
「実はな……このメンバーで、ハロウィンライブをやってもらいたいと思ってるんだ」

 

【香椎亜貴】
「ハロウィンライブ……??」

 

【音石夕星】
「なぁに、それ~?」

 

【ジン】
「まあ聞けって。もうすぐ、このINCLUSION……インクルが設立して初めてのハロウィンを迎える」

 

【ジン】
「バンドマンのハロウィンといったら、ハロウィンライブだ!インクルでも、ドカンと派手にやるっきゃないだろ!」

 

【ジン】
「けど、だからって普通にハロウィンライブをするだけじゃなんの面白みもねぇだろ?」

 

【ジン】
「だからな、インクルがまだオープン1年目の新しいライブハウスだってことに掛けて……」

 

【ジン】
「これからの成長に期待が持てる新人や、駆け出しのアマチュア、インディーズのバンドなんかを集めた……」

 

【ジン】
「新進気鋭のバンドマンぞろいのフレッシュなライブイベントを開催するのはどうかって考えてたんだ!」

 

【香椎亜貴】
「な、なるほど……です」

 

【ジン】
「そんな時、丁度良くお前らを捕まえたってわけだな」

 

【音石夕星】
「いや、そこでなんで僕達が捕まる必要があったのか話が繋がらないんだけど?」

 

【ジン】
「それはよ、ほら、新人ばっかりのイベントじゃ引きが足りねぇから、客が集まらねぇだろ?」

 

【ジン】
「けど、お前らみたいな話題のアーティストに協力してもらえたら客なんてあちこちから集まってくる!だろ?」

 

【音石夕星】
「はぁ?ようするに僕達は客寄せパンダってこと~?そんなもののために協力するなんて、やだ。めんどくさ~い」

 

【ジン】
「まあまあ、そう言わずに手伝ってくれよ。報酬はちゃんと出すからよ」

 

【香椎亜貴】
「あ、あのっ!」

 

【ジン】
「ん?なんだ亜貴、協力してくれるのか!?」

 

【香椎亜貴】
「あっ、い、いえ!そうじゃなく!その……」

 

【香椎亜貴】
「すみませんが、僕にはイベントのお手伝いなんて無理です……。事務所やマネージャーにも確認を取らなきゃいけないですし」

 

【ジン】
「久臣には俺から直接言っておくから大丈夫だって。お前が心配するようなことはねぇよ」

 

【ジン】
「な~んにも問題ナシ、だ!」

 

【香椎亜貴】
「そ、そんな、あまりにも急すぎます……!」

 

【ジン】
「こういう突然のチャンスこそものにしていく必要があると思うがなぁ」

 

【香椎亜貴】
「うっ、それは……」

 

【ジン】
「どうしても、嫌か?」

 

【香椎亜貴】
「い……嫌というより、困る……って感じです」

 

【香椎亜貴】
「ハロウィンまでの準備期間も短いですし、設立1年目の大事なイベントに僕が、なんて……」

 

【ジン】
「いつもDYNAMIC CHORDで大活躍してるお前達だからこそ、こうやって声をかけたんだぞ?」

 

【香椎亜貴】
「ほ、本当にありがたいお話だと思います。でも……っ」

 

【音石夕星】
「……」

 

【ジン】
「心配ごとがあるんなら、俺の方で全部潰していってやる。だからここは頷いておけって!」

 

【香椎亜貴】
「こんな大事なこと、すぐには決められません~!」

 

【音石夕星】
「――あははっ!」

 

【ジン】
「ん?どうした、夕星?」

 

【音石夕星】
「んーん、ライブの手伝いなんて面倒~って思ってたんだけどさ」

 

【音石夕星】
「やっぱり僕、手伝ってあげてもいいよ?」

 

【ジン】
「おお!手伝ってくれる気になったのか!?」

 

【香椎亜貴】
「えぇっ!?夕星さん、引き受けるんですか!?」

 

【音石夕星】
「まあね。だってさ、面白そうでしょ?」

 

【音石夕星】
「あーちゃんの嫌そうな顔を、た~っぷり見られそうで♥」

 

【香椎亜貴】
「そ、そんな理由で……」

 

【ジン】
「……で、亜貴」

 

【香椎亜貴】
「!」

 

【ジン】
「お前、夕星に押されっぱなしでいいのか?ここで男を見せなくていいのか!?」

 

【香椎亜貴】
「うっ…………」

 

【香椎亜貴】
「……………………わ、分かりました。やります……!」

 

【音石夕星】
「Good choice♥よろしくね、あーちゃん♪」

 

【香椎亜貴】
(……とんでもないことになっちゃった。本当に、これで良かったのかなぁ……)

 

***

 

【ジン】
「……ってことで、当初の予定通りミーティングを始めるぞ!内容はもちろん、ハロウィンライブの話だ」

 

【ジン】
「ハルヨシとエリにも、今回ハロウィンライブを手伝ってもらうことになった。こいつらと一緒に頑張ってくれ」

 

【ハルヨシ先輩】
「よろしくお願いします!」

 

【エリ先輩】
「盛り上げるために頑張ります!」

 

【香椎亜貴】
「こちらこそ……よろしくお願いします」

 

【音石夕星】
「よろしくぅ~」

 

【ハルヨシ先輩】
「おお……芸能人と挨拶してる。俺ってすげぇ……」

 

【エリ先輩】
「もう、バカなこと言ってないの。あの、ジンさん。早速ですけど……」

 

【エリ先輩】
「ハロウィンに向けての準備って、もちろん宣伝活動なんかも行っていくことになるんですよね?」

 

【ジン】
「ああ、その通り!フライヤーやポスターを作ったりな。ハロウィンってことで、デザインも特別なものにしたい」

 

【ジン】
「なにか意見があったら遠慮なく言ってくれ」

 

【ハルヨシ先輩】
「せっかくだからステージだけじゃなくて、インクル中をハロウィンっぽくデコって飾ろうぜ!」

 

【香椎亜貴】
「あの……ところでジンさんは、今回のライブイベントにどういうイメージを持ってらっしゃるんでしょうか?」

 

【香椎亜貴】
「それによって、装飾やステージのデザインの方向性が変わってくるかなって思います」

 

【ジン】
「イメージか?それはな……」

 

【ジン】
「こう、バーッと、ガーッと、派手にやるんだよ!!」

 

【香椎亜貴】
「へっ?」

 

【ハルヨシ先輩】
「いいですねオーナー!そこにさらに、キラキラ~ッとギューン!な感じはどうですか!?」

 

【ジン】
「悪くねぇな!」

 

【香椎亜貴】
「ぜ、全然分からないです……」

 

【音石夕星】
「何か絵とかで描いてみたら~?イメージイラストって感じでさ」

 

【ジン】
「なるほどな。それなら……」

 

***

 

【香椎亜貴】
「こ……これは……」

 

【音石夕星】
「ちょっと~、これじゃ全然わっかんないんだけど」

 

【ジン】
「くっ……俺の絵心のなさがバレただけか……」

 

【音石夕星】
「もっと分かるように描いてよ。はい、やり直し~」

 

【ジン】
「って言われても、これが俺の限界だっての!」

 

【ジン】
「こうなったら、お前達のイメージを絵にしてみてくれねぇか?」

 

【香椎亜貴】
「わ、分かりました。描いてみますね……」

 

***

 

【香椎亜貴】
「はい、出来ました!」

 

【ジン】
「ほうほう、どれどれ……?」

 

【ジン】
「なっ……こ、これは……!」

 

【ジン】
(……なんか見てると胸がざわざわするというか……)

 

【ハルヨシ先輩】
(まさかこれ、ジャック・オ・ランタン……!?目がブラックホールみたいだ……)

 

【エリ先輩】
(えーっと……この魔女……?人間とか食べる設定だったり……?)

 

【香椎亜貴】
「人前でイラストを描くなんて恥ずかしいですね……。でも、イベントのために頑張っちゃいました!」

 

【ジン】
「そ、そうか……」

 

【音石夕星】
「わー。さすがあーちゃん♥このランタン作ったら、みんな恐怖で失神するんじゃない?」

 

【香椎亜貴】
「恐怖……?可愛いハロウィンをテーマにしたつもりなんですが……」

 

【ハルヨシ先輩】
(俺の知ってる『可愛い』と違う……)

 

【エリ先輩】
「……あっ!そういえば!」

 

【エリ先輩】
「あの!Toiさんってイラスト描くの得意ですよね!?」

 

【香椎亜貴】
「あ、そういえば……以前、レヴァフェのツアー用にイラストを描いてくれましたよね!懐かしいなぁ……」

 

【音石夕星】
「ええ~僕?僕はあーちゃんの絵でいいと思うけど」

 

【音石夕星】
「ホラーな感じでハロウィンっぽさが出てるし、雰囲気バッチリじゃない?」

 

【香椎亜貴】
「でも……せっかくなので、夕星さんのイメージを見たいです」

 

【音石夕星】
「ん~……仕方ないなぁ。あーちゃんが言うなら描いてもいいけど」

 

【音石夕星】
「……ステージの装飾は~、こんな感じ?」

 

【一同】
「おお~……!!」

 

【ハルヨシ先輩】
「このステージ中央のガイコツ、すげークールでかっこいい!いかにもバンドって感じ!?」

 

【エリ先輩】
「ステージの周りを囲んでるカボチャ達が可愛い~!ハロウィンらしくて素敵!」

 

【ジン】
「うんうん、見てるとワクワクしてくる装飾だな!」

 

【音石夕星】
「ふ~ん、じゃあこれで行く?」

 

【ジン】
「ああ!決まりだな!」

 

【先輩達】
「異議なし!!」

 

【香椎亜貴】
「…………」

 

【音石夕星】
「あーちゃん?どうしたの?」

 

【香椎亜貴】
「あ……いえ、なんでもないです!夕星さんの絵、僕もすごく素敵だと思います」

 

【音石夕星】
「……」

 

【ジン】
「イメージも決まったことだし、作業を分担させて進行させるぞ」

 

【ジン】
「夕星、お前はインクル店内の装飾とフライヤー作りの担当だ!デザイン面の仕事を頼む」

 

【音石夕星】
「は~い。仕方ないなぁ」

 

【ジン】
「亜貴、お前は宣伝活動やフライヤー配りの方を頼む」

 

【香椎亜貴】
「は、はい!」

 

【ジン】
「それから、せっかく2人がいるってのをもっと生かしたい。お前らに、イベントのMCも頼んでいいか?」

 

【香椎亜貴】
「えぇっ!?MCって、司会進行ってことですよね?そんな大役、僕には……!」

 

【ハルヨシ先輩】
「いけますって!大丈夫、大丈夫!」

 

【エリ先輩】
「絶対盛り上がりますね!」

 

【香椎亜貴】
「う、うぅ……逃げ場がない……分かりました。頑張ってみます……」

 

【音石夕星】
「ははっ!あーちゃんの困り顔、最高だねぇ♥あーちゃんがやるなら僕もやってあげる」

 

【ジン】
「おーっし、決まりだな!それじゃ、もっと細かい話を詰めていくか。やるぞ、お前ら!」

 

【一同】
「おーっ!!」

 

【香椎亜貴】
「お、おぉ~……!」

 

***

 

――数日後、DYNAMIC CHORD事務所にて。

 

【音石夕星】
「~~♪」

 

【天城成海】
「あっ、夕星だ。夕星~!」

 

【音石夕星】
「なるなる、おはよ~」

 

【天城成海】
「おはよう……ってそれ、何書いてるの?」

 

【天城成海】
「えーっと……『いんくる・ないとめあぱーてぃー』??」

 

【音石夕星】
「そうだよぉ♥」

 

【音石夕星】
「僕、インクルのハロウィンライブのお手伝いを任されたんだぁ。だからフライヤー作ってるの」

 

【天城成海】
「夕星が……インクルのライブのお手伝い??いつの間にそんな話……!」

 

【香椎亜貴】
「あ、成海ちゃん。おはよう」

 

【天城成海】
「亜貴にぃ!」

 

【香椎亜貴】
「夕星さんもおはようございます。フライヤーのデザイン、順調そうですね」

 

【音石夕星】
「まあね~。あーちゃんのためだから♥」

 

【香椎亜貴】
「そんな……インクルのため、ですよね?」

 

【音石夕星】
「ん~?そうそう。あーちゃんのそういう困った顔が見たかったんだぁ♥」

 

【天城成海】
「えっ、もしかして……そのライブ、亜貴にぃも参加するの!?」

 

【香椎亜貴】
「うん。そうだよ」

 

【天城成海】
「どういうこと!?」

 

【香椎亜貴】
「えっ、あっ、えっと……!実は……」

 

***

 

【天城成海】
「ふむふむ……なるほど~!楽しそうなイベントだね!」

 

【香椎亜貴】
「ありがとう。本当に楽しく成功させられたらいいんだけど……」

 

【音石夕星】
「で~きた♥」

 

【天城成海】
「わぁ!それがライブのフライヤー!?すごい!かっこいい~!」

 

【香椎亜貴】
「これならどんな人だって注目するし、行ってみたいって気持ちになりますね……!」

 

【音石夕星】
「でしょ♥もっと褒めてくれていいよぉ♥」

 

【天城成海】
「このフライヤーって、どこで貰えるの?俺もほしいな~」

 

【香椎亜貴】
「インクルやVIVIANITE本店に置く予定だよ。あとは街中で配ったり……」

 

【天城成海】
「配るって……まさか、亜貴にぃ達が!?」

 

【香椎亜貴】
「うん。インクルのスタッフさん達と一緒にね」

 

【天城成海】
「そうなんだ!それなら、俺も手伝うよ!」

 

【香椎亜貴】
「えっ?い、いいの?」

 

【天城成海】
「もちろん!だって亜貴にぃ達のイベント、成功させたいし!」

 

【香椎亜貴】
「成海ちゃん……ありがとう!」

 

【音石夕星】
「もっと他にも声かけてみたらいいんじゃない?そうしたら、フライヤー配りなんて一瞬で終わるでしょ」

 

【香椎亜貴】
「そうですね……。うーん、他に頼めそうな人達は……」

 

【結崎芹】
「お!亜貴に成海に、夕星も。お疲れ様!」

 

【檜山朔良】
「お疲れ」

 

【珠洲乃千哉】
「お疲れ……ん?それ、フライヤー……?」

 

【榛名宗太郎】
「みんなで集まって、何してるの?」

 

【音石夕星】
「ハルちゃ~ん♥今日も可愛いねぇ♥」

 

【榛名宗太郎】
「ふふっ。ゆーちゃんありがとう♥」

 

【音石夕星】
「あ、そうだ。あーちゃん、ハルちゃん達にも手伝ってもらったら?」

 

【香椎亜貴】
「そ、そうですね。あの、皆さん――」

 

***

 

【香椎亜貴】
「……ということで、フライヤー配りの手伝いをお願いできたらと思って……」

 

【榛名宗太郎】
「そうだったのね!もちろん、喜んでお手伝いするわ~!」

 

【榛名宗太郎】
「って、言いたいところなんだけど……その日はファッション誌のコラムの締切日なのよねぇ」

 

【珠洲乃千哉】
「悪いけど僕もその日は、取材が入ってて……」

 

【結崎芹】
「俺も個人の仕事があるんだよなぁ……」

 

【香椎亜貴】
「そうなんですね……。すみません、皆さんお忙しいのに無理を言って――」

 

【檜山朔良】
「やる」

 

【結崎芹】
「はっ!?」

 

【珠洲乃千哉】
「なっ!?」

 

【榛名宗太郎】
「さくらちゃん、どうしちゃったの!?さくらちゃんが自ら雑用を買って出るなんて……!?」

 

【檜山朔良】
「いや……たまにはそういうの手伝ってもいいかなって。フライヤー配るだけだし」

 

【結崎芹】
「大先生が成長なさってる……!?」

 

【榛名宗太郎】
「この間のAutumn Rock Fesから少しずつ積極的になったものね。素敵よさくらちゃん!中身もイケメン!!」

 

【珠洲乃千哉】
「そ、そうか……」

 

【音石夕星】
「わーい!お手伝い1人確保~♪」

 

【香椎亜貴】
「ありがとうございます、檜山先輩!」

 

【結崎芹】
「手伝うのは構わないけど、顔バレしないように気をつけろよ?騒ぎになったら大変だからな」

 

【檜山朔良】
「ああ、分かってる」

 

【結崎芹】
「亜貴達も。いいな?」

 

【香椎亜貴】
「は、はい!気をつけます」

 

【音石夕星】
(……顔バレしたら大騒ぎ……ねぇ)

 

【音石夕星】
「……イイコト思い付いちゃったぁ♥」

 

***

 

それから数日後のこと――。

 

【天城成海】
「『インクル・ナイトメアパーティー』のお知らせです!良かったら遊びに来てくださ~い!」

 

【音石夕星】
「新しいライブハウス、VIVIANITE INCLUSIONで~」

 

【香椎亜貴】
「初めての開催となるハロウィンライブになります!」

 

【檜山朔良】
「インディーズやアマチュアのバンドマンが大勢出演する特別なライブになりまーす」

 

【4人】
「インクルが迎える初めてのハロウィンを、是非一緒に楽しみましょう!!」

 

【エリ先輩】
「はぁぁ……悪魔に狼男、ミイラ男にフランケンシュタイン……」

 

【エリ先輩】
「う~ん、眼福~♥イケメン達の仮装姿をこんな間近で拝めるなんて!!」

 

【エリ先輩】
「フランケンシュタインはずっと真顔だけど……そこもクールで素敵!」

 

【ハルヨシ先輩】
「は~……アッポリにレヴァフェ、Liar-Sまで……」

 

【ハルヨシ先輩】
「う~ん、よく考えなくてもすげぇメンツだよな……」

 

【エリ先輩】
「そうねぇ。急に話が出た時はびっくりしたけど――」

 

+++

 

【音石夕星】
「ねぇ~。この間、フライヤー配りの話したときにイイコト思い付いちゃったんだけど……」

 

【音石夕星】
「じゃーん♥」

 

【エリ先輩】
「えっ!?」

 

【ハルヨシ先輩】
「こ、この衣装って……ハロウィン用の!?まさかこれ……」

 

【音石夕星】
「作っちゃった♥」

 

【香椎亜貴】
「つ、作った……!?夕星さんが、ですか!?」

 

【音石夕星】
「まさか。そんなに暇じゃないよ、僕。デザインはしたけどね。あとはちゃーんと専門のスタッフに作ってもらったよぉ~」

 

【音石夕星】
「フライヤー配りするとき、顔バレしちゃダメなんでしょ?だったら仮装しちゃえば分かりにくくなるじゃん」

 

【音石夕星】
「これならインパクトもあるし、なにより面白いかな~って♥」

 

【香椎亜貴】
「あの短時間で、こんな衣装を準備していたなんて……」

 

【音石夕星】
「ハロウィンなのに仮装しないなんてつまんないじゃん?」

 

【音石夕星】
「それに、あーちゃんが仮装したとこ見てみたいなーって。だから着てくれるよね? あーちゃん♥」

 

【香椎亜貴】
「うぅぅ……」

 

+++

 

【ハルヨシ先輩】
「にしても、まさか俺達の分まで衣装を作ってくれてるとは思わなかったよな」

 

【エリ先輩】
「ほんとほんと!見て!私が着てる赤ずきんの服も可愛いの!」

 

【ハルヨシ先輩】
「お~!まさに馬子にも衣装――」

 

【エリ先輩】
「なんか言った?」

 

【ハルヨシ先輩】
「すっげーよく似合ってると思うなぁ!!」

 

【エリ先輩】
「ふふっ。いつもだったら恥ずかしいけどハロウィンだったらいいかなって思えるのが不思議よね~」

 

【ハルヨシ先輩】
「おうっ!Toiさん達にここまで協力してもらったんだから、絶対成功させようぜ!頑張るぞー!」

 

【エリ先輩】
「おー♪」

 

***

 

【香椎亜貴】
「ハロウィンのイベントライブ、
『インクル・ナイトメアパーティー』のお知らせです。よろしくお願いします~!」

 

【女の子1】
「ねえ、あそこにいるのってレヴァフェの……」

 

【女の子2】
「きゃああああ!ナイトよ!!!!」

 

【香椎亜貴】
「!」

 

【女の子1】
「あ、あの!サインください!」

 

【香椎亜貴】
「い、いや、僕は……!」

 

【女の子2】
「包帯で隠してるけど、この王子様オーラは間違いないっ!きゃあああ!!ナイト~~!!」

 

【香椎亜貴】
「いや、ですから僕は――!」

 

【音石夕星】
「Hi!なに話してるのぉ~?僕も混ぜて♥」

 

【女の子達】
「アッポリのToiまでいる!?きゃー!」

 

【香椎亜貴】
「ど、どうしよう、なんだかすごい騒ぎに……!?」

 

【天城成海】
「ちょっと夕星!こんなところでナンパは――」

 

【女の子達】
「え!今の声ってもしかして……!NaL!?」

 

【天城成海】
「わわっ、みんな!一旦逃げよう!夕星!亜貴にぃ!こっちだよ!」

 

【音石夕星】
「あはは!せっかく盛り上がってきたのにぃ~」

 

【音石夕星】
「でもこういうのって楽しいねぇ♥最高~♪」

 

【香椎亜貴】
「そんなこと言ってる場合じゃないです!早く~~!」

 

 

『Halloween Nightmare Party 後編』に続く